2017年8月13日日曜日

オールコート1対1


オールコートの1対1は、ディフェンス練習が主になりますが、オフェンスの練習にもなります。それはコーチの考え方によります。
では、どのような練習になるのかを説明します。

オフェンス練習

ボールのもらい方
まず、最初に行わなくてはならないのは、ボールのもらい方です。相手を引き離してボールを貰うのが基本です。
自分がボールに向かって飛び出すのをボールミートと言います。これは、ある程度距離がないとダブルチームなどをされることがあります。また、突然、思い切りよく、大きく飛び出さないと効果はありません。パスもうまく合わせるのが大切です。
次に自分が相手から後ろへ離れるように下がってボールをもらうのをミートアウトと言います。ミートアウトだけでボールをもらえることは殆どなく、VカットやLカットやシールと合わせて行うのが普通です。
最後にディフェンスの裏側を走り抜ける動きをバックカットと言います。ディフェンスがディナイをした時に効果があります。

ポールをもらった時の態勢を作る
ボールを持った時に相手に背中を見せているようでは攻められません。また、ボールをもらった時やピボットのトラベリング、ボールキャッチの良し悪し、ボールの構え方などの練習ができます。

ディフェンスとの距離を知る
オフェンスから見るとディフェンスが近いほど抜きやすくなります。それは、距離が近いと、オフェンスの動きに対してより短い時間で反応しなければならないからです。従って、オフェンスはまずこの距離で抜けるかどうかを判断する必要があります。
基準は腕の距離で測ります。腕半分の距離ではほとんど抜くことができます。腕1本分の距離ではややオフェンス有利です。腕1本半以上の距離は普通はディフェンスが勝ちます。

ディフェンスと駆け引きを行う
相手が下がるのが遅ければ、一気に距離を詰めてスピードで抜く。横の動きに弱ければ横に動いてみて動きの差で抜く。
その他、スピードの変化、方向の変化などで抜くなどドリブルのところにある技術が駆け引きで使えます。

相手チームを考える
これは、かなり高度な練習です。例えば相手がサイドラインに追い込んできたら、その先にどのようなトラップがあるかを予想し、対処の仕方を考えてプレーする。
漠然と相手だけを見るのでなく、コート全体に視野を広げる練習もできます。

ディフェンス練習

プレッシャーのかけ方
ボールを持った瞬間に、オフェンスの足元に寄ってプレッシャーをかけます。 相手がひるんでピボットで逃げれば追いかけるようにプレッシャーをかけ続けます。 相手が抜くような構えをとったら、ジャンプバックで腕の1本半分の距離をとります。
オフェンスの1歩目の動きに対してディフェンスはどうしても1歩目が遅れます。その遅れが2歩目、3歩目と積み重なることで、抜かれます。 これに対してディフェンスは距離をとって時間の遅れを距離で補います。従ってこの距離は人によって違います。自分の距離を知りましょう。

ディレクション
オフェンスの方向づけを行います。通常はサイドライン沿いに相手を追い込むファンディフェンスを使います。ファンディフェンスは、インライン(オフェンスとゴールを結ぶ線)をまたいだまま、全体に行かせたくない方向に位置取りして行かせたい方向の足を引いて相手に正対する姿勢を取ります。
思い通りの方向に抜いてきたら、出来るだけサイドステップのままインラインを外さないようにします。これによって、相手が真っ直ぐ抜けずにサイドライン沿いにドリブルをするようになります。
思い通りと反対の方向に抜いてきた場合は、先にコースに入って相手を押さえます。相手は方向を変えるしかなく、サイドライン沿いに動くことになります。
ファンディフェンスの利点は、パスやドライブインが1方向になること、パスを投げにくいゾーンができること、トラップをかけやすいこと、真ん中を走られるのに比べて多少時間がかかることなどです。
サイドライン方向ではなく、ミドルレーン(リングとリングを結ぶ線)に追い込むファネルディフェンスという方法もあります。これは中央に強いディフェンスがいてカバーしてくれる時に使います。

ドリブルに対するディフェンス
相手がトップスピードになってしまうと、追いかけるのが精いっぱいです。従って、相手がトップスピードを出させないようにするにはどうするかというのが、課題の1つになります。
これは、必ずインラインを取ることによって、相手がそれを避けて通らねばならないため、トップスピードが出せないようにすることでしょう。
次の考えは、相手のコースを止めてしまう考えです。しかしステップで回り込んで止めるのは難しく、ドリブルチェンジされるとディフェンスできません。 ここで、サイドラインに追い込むことが生きてきます。サイドラインを越えてプレーできないので、ディフェンスの代わりになります。
それでは、トップスピードになった相手を止めるにはどうすればいいでしょうか。サイドラインに追い込むのと同様に、相手が内側へ切れ込んでくるのを阻止しながらエンドラインへ追い込みます。できるだけリングから離れた場所に追い込むとシュート率も落ちるので出来るだけコーナー近くに追い込みましょう。

ドリブルが止まった時のディフェンス
ドリブルが止まったら、相手はパスかシュートしかありません。今度は抜かれる心配はありませんから、相手の胸に自分の胸を当てる(本1冊分開けて)つもりでプレッシャーをかけます。 ボールに対しては確実にチェックするとともにボールが前に来たらねらいます。このディフェンスを、相手が棒のようになってしまうことから、スティックと言います。

オフェンスと駆け引きを行う
実際の相手はフェイントをかけてきます。カットインやパスのフェイントです。フェイントをかけてくる目的は第一に抜くことですから、少し下がるだけで対応します。

チームディフェンスを考える
これは、かなり高度な練習です。通常声を出しながらボールの位置を味方に教えるのも必要ですが、ボールディフェンスは後ろの状況が見えませんので、味方からの声が必要です。自分の相手だけでなく周りの声にも注意する必要があります。
またランアンドジャンプスクランブルを行うチームなら、決まった約束があるので、しっかり守ることです。