2017年6月18日日曜日

カッティング(カット)



カッティング(カット)はパスカットなどのように相手のボールを奪うことではなく、ここでは、ボールをもらう動きのことをいいます。単に真っ直ぐな動きから、複雑な動きをするものまで様々です。
バスケットボールではカットの技術はボールをもらうために必要ですが、ディフェンスを振り切ってアウトナンバーが作ったりに、ディフェンスを動かしてボールマンの攻撃方向にスペースを作ったりするためにカットを行うことが必要になります。勝手に思い付きで動き回っていても、ディフェンスを崩すことできません。一生懸命頑張りながらも頭は冷静に今どのようなプレーが必要なのか考えなくてはなりません。そのためにカッティングはチームとしてシュートを打つために大切な技術なのです。

カッティングの概要
カッティングには多くの種類があります。しかし、それぞれのカッティングの利点や欠点、使いどころや、やり方については選手間で異なる認識があったり、中には知らない人がいるかも知れません。
カッティングは全てのオフェンスの中で、ボールを持たないプレーヤーが行うものです。チームの共通した考えで攻撃するために必要なもので、いつどのようなカッティングを行うかということはチームによって異なります。オフェンスの中でどのようなカッティングをするかは、チーム全員の意識が共通していることが必要です。

カッティングをするときには、カッティングでボールをもらう場所がスペースになっているか、パスとカッティングのタイミングが合っているか(パッサーとレシーバー両方ともに合わせなくてはなりません)、カッティングのスタートにディフェンスのブラインドをついているかまたはフェイントを行っているか、などに注意が必要です。
ボールの味方も相手も全て動いている中でこの判断を行うのはかなりの練習が必要と思います。チームでいくつかのルールを決めておけば、この判断はかなり楽になります。必要なことはコート内の動向を見る視野です。

また、ディフェンスはパスコースを潰すために、多くの局面でボール側に寄ってディフェンスします。それは、動いているボールに意識が行ってオフェンスを見ていない場面ができたり、ディフェンスの思い通りの動きをしたりすれば簡単にフェイントにかかってしまいます。こういうプレーからチャンスを作っていくことが大切です。

カッティングの練習
カッティングの練習では次のことに気をつけて行いましょう。
 1.必ずディフェンスの動きを見て、効果的なカッティングをすること。
 2.大きな動きでカッティングを行うこと。
 3.一連の動作が終わった時にはリングの方向を向いていること。
 4.切り返しを行う場合は素早いターンを行うこと。

連続カットトップと左右ウイングで行います。
同じカッティングを連続して行う練習で、例えばVカットと決めたら、トップおよび左右ウイングでVカットをしながらパスを回します。タイミングを合わせてカッティングを続ける練習ですが、三角パスなどでも同じ練習ができます。

組合せカット一人ずつ行う練習です。
数種類のカッティングを組み合わせて行います。例えば、Vカット・フレアカット・トライアングルカット・フロントカットからシュートとのような組み合わせで進みます。コーチの発想で組合せはいくらでもありますが、組合せの種類が多くなると時間がかかる上に難易度が上がります。できれば、選手が簡単に覚えられて効果のある組合せを考えるのがいいでしょう。

パスキャッチからドリブルシュート
いろいろなカッティングでボールをもらいドリブルシュートを行う。

ランニングシュート
数々のやり方がありますが、リングに向かうカッティング(バックカットやフロントカットなど)の練習になります。また、シューターからパスを出してリターンパスでシュートする場合は、パッサーのボールのもらい方を指定することもできます。

オールコート1対1
最初のパスをもらうときに、いくつかのカッティングが必要になります。ディフェンスがディナイなどの厳しいディフェンスを行った方がボールをもらうカッティングの練習になります。

ハーフコート3対3~5対5
パスした後、オフボールの選手の動きと動いた後のスペースの使い方の練習です。そのためのスペースの作り方、パスした後のカッティングなどを主としてプレーを行います。

その他、多くのプレーでカッティングが必要になります。オフェンスはどのような状況であっても必ず誰かがカッティングしていなければ、うまく攻撃できません。手を抜かずにきちんと練習しなくてはなりません。

一般的なカッティングの種類
Vカット
バックカットに走り、ディフェンスが一生懸命追いかけてきたら突然方向を変えて、相手を遅らせ、元の位置でぼーるをもらう。相手がディナイをしている時には有効。

Lカット
ボール方向に動いて相手が、コースを止めに来たらシールして直角方向へ飛び出す。相手はシールされているのでボールに対するプレーが遅れる。

Iカット
Vカットの途中で、相手が振り切れなかった場合、もう一度方向を変えてリングへカットインする。相手の動きに注意する。相手がVカットにヤマを張っていた場合に有効。

フレアーカット
ディナイディフェンスに対してボールがもらえず、ローポストなどがいてカットインも難しいときに、0度に広がるようにカッティングする。Vカットしてもディナイされている場合に連続して行うことにより有効な他、スペースを作るために有効。

バックカット
相手がディナイしてきた時に、相手の後ろ側からリングに向かいカットインする。バックドアともいう。ディフェンスがディナイしているときに有効で、カッティングした後にスペースを作ることができる。

フロントカット
相手がザギング(離したディフェンス)している場合に、相手のボール側を通ってリングへカットインする。パスを入れるタイミングが多いが、カバーディフェンスも多くなる。カッティングした後にスペースができる。

スラッシュカット
ウイングにスペースを作りたい時に行う。通常はディナイの相手の後方を通る。カッティングした後にスペースができる。片側にオフェンスを集めてアイソレーションパターン(1対1でカバーしにくいオフェンス)が作れる。

Sカット
ウイングにスペースを作りたい時に行う。通常はザギングの相手の前方を通る。パスを入れるタイミングが多いが、カバーディフェンスも多くなる。カッティングした後にスペースができる。アイソレーションパターンが作れる。

トライアングルカット
コーナーからペイントエリアに切れ込むプレーを防がせ、ウイングに飛び出す。相手が防がないときはペイントエリアでボールをもらう。コーナーにスペースができる。

Cカット
コーナーのディフェンスが遅れていてリング下が攻められないときに、Cの形に動いてウイングまたは元の位置でボールをもらう。リング下に走り込んだり、ハイポストにフラッシュする変化があるので、ディフェンスの対応をよく見て最善のプレーを行う。コーナーにスペースができる。

フラッシュ
センターなどがボールに対して大きく飛び出すプレー。



ドロップカット
ハイポストからディナイの反対側の足を引いて回転し、リング下に走り込むプレー



UCLAカット
ハイポストをスクリーンにしてトップがカットインするプレーで、ボールサイドとブラインドサイドのカットがある。

シザースカット
シザースははさみの意味。ハイポストを中心に挟むように2人のガードが行うカットイン。
ループカット
ローポストを使ったVカットの変形カット。自分のディフェンスのいる側にローポストをループしてボールをもらう。スイッチしたらミスマッチになる。待ち伏せしたら逆サイドやハイポストへ動く。スクリーナーはスイッチに対してピックアンドロール、その他はディフェンスをシールした後、ピックアンドスペースに動く。

トレイル
横方向のアウトサイドスクリーン。ユーザーはスクリーナーの裏側でボールをもらう。この後、ユーザーのシュート・ドリブルイン、スクリーナーのピックアンドスペース・ピックアンドピック・リスクリーン(もう一度スクリーンする)などの攻撃がある。


スクリーンプレーのカッティング
ストレートカット
スクリーンの方向にディフェンスをブラッシング(ぶつける)カットの仕方。スクリーン後、ユーザーはスクリーンの直角方向に動く。スクリーナーはピックアンドロール(ライブ・シール・アウト・スペース)など。

カールカット(タイトカット)
スクリーンをファイトオーバーしてくるディフェンスを、スクリーナーを巻くようにブラッシングするカット。ユーザーはS字で目的方向に動くか、違うプレーをするかを選択する。スクリーナーはピックアンドアウトかピックアンドスペースが多い。

エクスプロージョン
ディフェンスがスクリーン側に寄っているときに逆方向へ走るプレー。止めるにはスイッチ以外になく、スクリーナーはピックアンドロールに動く。

スリップカット(アーリーリリース)
スクリーナーのカットプレー。スクリーンを予測して相手が待ち伏せする場合(よくある)、スクリーナーがスクリーンをかける前にリング方向へ動く。アーリーリリースともいう。但し、スクリーナーはこのチャンスが分からない(背中で行われる)ので、ユーザーがスリップカットの指示を出す。












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